サーモンソムリエが教える”美味しいスモークサーモン”とは

コラム

味を左右する2つのポイント

まず知っていただきたいことが、スモークサーモンの美味しさを左右するポイントです。
大きく分けて2つあります。
まず一点目が「サーモンの種類」
二点目は「燻製の方法」です。
それぞれについてご紹介していきます。

【ポイント1】サーモンの種類

サーモンとひとくくりに言っても、種類によって味、風味、脂の乗りは千差万別です。

魚種ごとの味の違いは別のコラムで紹介しますが、脂が多いキングサーモン、
風味を楽しめる紅鮭、さっぱりと食べられる白鮭などなど、それぞれの良さがあります。
料理にスモークサーモンを使用する際、味付けをこってりにするかあっさりにするか、
濃い味か薄味かによってサーモンを使い分けられるようになると、ワンランク上の料理に仕上がります。


魚種以外に、オス、メスの違いもあります。

  養殖サーモンは関係ないですが、天然魚の場合、メスはお腹(ハラス)が薄く、
身に脂が少ないです。そのため、塩漬けの際に塩分が浸透しやすいですし、
燻製時間の調整が非常に難しくなっています。


【ポイント2】燻製の方法

ソフトスモークとハードスモーク

燻煙方法は、大きくソフトスモークとハードスモークに分けることができます。

最近は、身のみずみずしさを保ちつつ燻煙の香りが立つ“ソフトスモーク”が主流です。
よく一般的に食べられているスモークサーモンが該当します。
ソフトスモークは身色が鮮やかで、生の状態よりもプリっとした食感が特徴です。
また、そのまま食べても美味しく、様々な料理にも利用できることから人気となっています。

ハードスモークは日本であまり流通していませんが、ほぼ水分が無くなるまで乾燥させ、燻煙も強くかける製法です。
イメージとしては、燻煙のかかった“鮭とば”です。

■燻製時間

前述の通り、日本ではソフトスモークが主流ですが、繊細な作り方になるため、
燻製時間には特に気をつかう必要があります。
(燻製時間とは、燻煙でいぶし乾燥させる時間のことです。)
2~3時間で終わらせることも出来ますし、24時間じっくりと乾燥させることも出来ます。
長時間燻製の場合、余計な水分を飛ばして旨味を中に閉じ込めるため、
一般的に美味しいと言われることが多いです。
(好みによって水分多い方が良いという方もいるもかもしれません)
しかし、長時間燻製は、完成までに時間と手間が増えますし、
水分を飛ばすことによってグラム単価があがってしまうため、
比較的高価になりやすい傾向があります。

美味しいスモークサーモンの見分け方

しっかり長時間の燻煙をかけているスモークサーモンは、“スモークスキン”で見分けることができます。
スモークスキンとは、乾燥して硬くなった身の表面部分を指します。
乾燥→燻煙をしっかりと長時間行なっているスモークサーモンは、しっかりスモークスキンがあります。
余分な水分が抜けて、程よい食感と、染み込んだ香りが鼻を抜ける高品質のスモークサーモンです。
スモークサーモンは半月の形をしていますが、そのカーブの部分の数ミリをかじって、食感が違っていれば、それがスモークスキンです。
もちろん、部位によってスモークスキンが強く出るところと、そうでないところがあるので、いきなり判定するのは難しいかもしれません。

次回スモークサーモンを召し上がる時に試してみてください!

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